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2015/08/06

広島への原爆投下日にあたって

 8月6日(木)は広島に原子爆弾が投下されて70年という節目にあたります。

当時、私達の家族は広島の被爆地からわずか20キロのところに居を構えていたため、ピカッと光る閃光もドンという大音響も経験しました。この原爆によって一瞬にして20万人が尊い命を失ってしまいました。そして、私達の家族にとっては戦死した父と兄に続いて最愛の姉を亡くすことになったのです。この惨状は今でも脳裡に焼き付いています。

その後母親が残された子ども達を女手一つで育ててくれましたが、戦争はすべてのものを変えてしまうというのが実感です。

 年月が過ぎ、被災した人の平均年齢は80歳を超え、今や戦争を全く体験したことのない人が日本人の大半を占めるようになってきました。マスコミの調査によると8月6日というのが原爆が投下されたことを知る人の割合が年々低下し、この出来事が風化されようとしています。まして、豊かな時代に育った若者達はこれが当たり前のような感覚で毎日を過ごしているのではないかと思います。

戦後70年を経過し、確かに日本は物質的には豊かになり便利になり、一時は世界から「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と呼ばれるまでの経済大国になりました。しかし、こういった発展の中で、失ってきたものもたくさんあるように感じています。

かつて日本は美しい国、日本人は礼儀正しい民族であり、日本文化の特徴は〝恥の文化〟であると言われていました。しかし、美しかった故郷の棚田や森は姿を消し、河川や海は汚れ、世界中から食糧を集め、使い捨て商品や廃棄食材によるごみは溢れ、冷暖房・光・輸送にかかるエネルギーを無駄遣いする等の憂慮すべき状況になっています。

また、日本人の美徳であった羞恥心や奥ゆかしさ、思いやりといったものも消失してきています。更に、この20年間国際的に見ても日本の地位は大きく低下しつつあります。複雑化し混迷の度を増す国際社会にあって、世界初の原爆被害国として核の廃絶を強力に訴えると共に、将来の日本のあるべき姿を明確にし、早急に対策を講じていく必要性を感じています。

              (細川 三郎) 

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