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2015年12月アーカイブ

日本の伝統精神を取り戻す(細川三郎) (2015/12/12)

 日本は20世紀後半のバブル崩壊とグローバル化の波に乗り遅れた結果、経済はかつての輝きを失い、長期にわたって低迷することになりました。GDPが横ばいする一方で、社会保障費が増加の一途をたどり、国と地方を合わせた借金は1000兆円の大台を超えGDPの2倍という先進諸国の中でも突出した金額になっています。これらはすべて今までの長年にわたるツケが回ってきたということであり、病気に例えれば慢性疾患ということになります。

 最近は、円高の是正や外国人観光客による消費の増加等により、企業の一部には明るさが見え始めているものの社会全体としては依然として閉塞感が漂っています。この原因は色々考えられますが、現状に甘んじチャレンジする姿勢が薄い、また国や地方自治体への依存心が強い、他人よりも自己の利益を優先する行動といった人為的なものが多いように感じます。仕事の選択する際にも、世のため人のために役立とうというよりも給与や福祉条件が良い、仕事内容が厳しくない、安定しているといったことを挙げる若者も多いようです。このため、生活の基盤となる農林水産や高齢化に伴い急増する介護といった仕事は敬遠される傾向にあり、人手不足の状況が続いています。

 本塾のホームページで再三取り上げられている松下幸之助氏は日本経済の絶頂期であった1980年代に、「日本はやがて行き詰まる。何故なら自分のことや目先のことしか考えない人が多すぎるからだ。」という警鐘を発しておられましたが、当時多くの人は耳を貸そうとはしませんでした。しかし、現状は松下氏の予言通り、日本は行き詰まり、もがき苦しんでいます。

 この閉塞状態から脱却するためには、国民一人ひとりが日本人の民族的美徳とされてきた精神を取り戻し行動することしかありません。何よりも憂慮すべきは、将来の日本を背負って立つ子ども達の自己肯定感や自尊感情が世界中で最も低いという事実ですが、この原因は我々の世代が作り出してきたと考えなければなりません。我々の世代が後世に負の遺産を引き継がないというゆるぎない志を持って行動していくことが大切であると痛感しています。

                                   (細川三郎)

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