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偉大な日本人

2016/10/09

志シリーズ 第5碑 徳増須磨夫

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培えば 大輪の花ひらく 咲こうとすれば 焦らず 根を張ることだ

 徳増須磨夫さんは、住友海上火災保険において社長・会長を歴任された方である。

 徳増さんとお会いしたのは、私が35歳の頃のことである。住友海上火災保険の新居浜支社が開催したパーティーの席上のことであった。何名かの来賓の挨拶の後、主催者としてスピーチに立たされた徳増さんは、まず、孔子の話をされた。そして、人としての道について、醇々と説かれた。この種のパーティーには、異色のスピーチであり、その時私は、徳増さんに人間的な関心を抱いた。そして、パーティー終了後に、徳増さんと暫く言葉を交わすうちに、この方は人を愛しているひとだと感じた。また、自分と接する全ての人が、各々に立派な花を咲かせて欲しいと願っている人だと思った。それも、自分の個性を思い切り生かした花を・・・。だから、あなたも目先のことよりも、まずは人間としての基礎を培うことに力を注ぐようにと、アドバイスを頂いた。

 上の言葉は、社内報"泉"に掲載された新入社員講話中の言葉である。

 この言葉の後、こんな言葉が続いている。"根が強ければ、花は自然に咲きます。ダイナミックな時代です。少々のことではびくともしないように、まず、根をしっかりと張りめぐらすことです。みなさんが、どのように大輪の花を咲かせるのか楽しみですが、私も焦らずに、みなさんがどのように根を張るのか、その様子を見守ることにしましょう"と。

 今の世の中は、マスコミ等のメディアの影響か、表面ばかりが重視される傾向が強い。人の心の中よりも、外見の方が人間として重要だと言わんばかりである。だから、成人式等に行っても、若者たちは外見ばかりを競って着飾っているが、その一方で人の話をまともに聞こうともしない、幼稚な青年が多い。

 植物にとって、その生命の源は、枝葉ではなく根である。同様に、人にとって、その本質は、外見よりもその人が長い時間をかけて培った志や人間性であり、それを支える習慣であると私は信じるのであるが、いあかがであろうか。

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(土岐功明)

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